試験対策

【独学か予備校か】外交官試験に受かるための最短ルートは?(その他公務員を目指す人も必見)

大学生です。外交官を目指しています。総合職か専門職どちらを目指すかまだ決めていませんが、勉強の仕方として、独学か予備校に通うか迷っています。

こんな疑問にお答えします。

結論:予備校をおすすめします

本記事の内容

  • 外交官(公務員)試験の合格を目指す上で、独学と予備校のそれぞれのメリット・デメリットを解説
  • 独学で受かるためには

もくじ

外交官(公務員)試験の特徴(筆記が全て)

公務員試験は通常、一次試験として筆記試験が、二次試験として面接があります。

でもぶっちゃけ、面接なんて関係ありません。

あなたがよほどの人格破綻者だったり、まともな受けごたえができないような人でない限り、面接で大きなバッテンがつくことはまずありません。

大きなバッテンがつくのは一次試験、つまり筆記試験です。

公務員試験は筆記試験が全てです。

筆記試験でいい点数を取れていなければ、たとえ面接に進めたとしても足切ラインをちょっと超えた程度の点数であれば、普通に落とされます。

これは、実際に外務省内で試験担当をしたことがある方から直接聞いた率直な感想であり、また私自身が在外時代にある試験答案の採点をしたその経験から述べていることです。

「公務員試験は筆記試験の点数がすべてである」これをまずは認識してください。

予備校のメリット・デメリット

予備校のメリット

  • 試験合格のためのノウハウを学べる
  • 人脈ができる
  • お金を払うことによる強制力が働く

以下解説していきます。

試験合格のためのノウハウを学べる

公務員試験の合格するためのコツは、知識量ではなくテクニックです。

公務員試験の勉強は、ある問題が出題されたらこういうふうに書けばいい、こういうふうに解けばいい、という解放のための型を繰り返し反復して、脳や体に覚えこます作業だと思っています。

また、公務員試験は毎年行われている試験なので、試験の傾向はだいたいわかっており、正しいノウハウに基づいて勉強すれば合格できます。

しかし、このノウハウを理解せずに、一般の学者の人が書いた教科書や参考書をがむしゃらに読んでいるだけでは絶対に合格できません

一般の教科書を読んで試験問題を解くことができるのは、自分の得た知識をすぐに応用することができる一部の天才だけです。

普通の人間は知識を得ただけでそれを応用することはできませんので、その応用の仕方(ノウハウ)を予備校では教えてくれるわけです。

塾予備校にお金を払うこと=試験合格のためのノウハウを得ること最短合格ルートだということを理解してください。

人脈ができる

公務員試験予備校に通うと、あなたと同様に公務員を志している多くの方と出会うことでしょう。

皆が公務員試験に合格できるわけではありませんが、予備校で仲良くなった人と一緒に合格して、その人が自分にとっての同期となることはよくある話です。

同期という存在は、職場内において本当に貴重な存在です

例えば、あなたがあることを知りたいから、〇課の〇さんに電話をかけるとき、たとえ同じ職場の人間であっても面識がない人に電話をかけることは相当のストレスになります。

大企業であれば同じ職場内で面識がない人などごまんといますし、質問した相手が横柄な人で、それだけで精神的に疲れたりすることはよくあります。

でも、その相手が仲のいい同期だったら、知らない相手だったら聞けなかったことも気軽に聞けるわけです。

この感覚は中々ピンとこないかもしれませんが、働き始めてみるとよくわかります。

仲のいい同期をたくさん作っておくというのは、自分にとってよい労働環境を作る上で不可欠なわけです。

ましてや、その同期が社会人になる前から一緒に切磋琢磨した人であれば、なおさら仕事がしやすくなるものです。

このような人脈を作る上で、予備校は交流と出会いの機会も提供してくれるわけです。

お金を払うことによる強制力が働く

人間は無料で手に入れた参考書より、自分のお金で買った参考書のほうがしっかりと読み込む、という傾向があります。

つまり、「高いお金を払ったんだし、ちゃんと利用しないともったいない!」というインセンティブが働くので、勉強を継続しやすくなるわけです。

それに、試験対策予備校は、授業のカリキュラムが決まっているので、決まった時間に決まった場所に行く(または講義を受ける)ということが、そのまま勉強の習慣づけになるのです。

自分ひとりで予定を決めて勉強するのが苦手という人はたくさんいるので、そういう人にとっても塾に通って自分を「強制させる」ことができるのは、大きなメリットとなります。

予備校のデメリット

  • お金がかかる
  • 時間をフレキシブルに使えない(オンライン講座が盛んな今、必ずしもそうじゃないかも)

以下解説していきます。

お金がかかる

予備校は試験に受かるためのノウハウを、お金と引き換えに教えてくれるところです。

当然、その対価は高いものとなります。

この予備校の学費を高いと思うか、低いと思うかは人それぞれだと思います。

私は、経済的な理由等により、予備校に通うことができなかったのですが、今思えば、無理してでもお金を工面して通うべきだったな、と思っています。

時間をフレキシブルに使えない(オンライン講座がさかんな今、必ずしもそうじゃないかも)

予備校に通うということは、カリキュラムが全て決まっているので、いつも決まった時間に決まった場所に行く、または決まった時間に講義を受ける必要があります。

当然自分の時間の使い方がフレキシブル(柔軟性)なものではなくなります。

一方で、これは自分のペースで独学をやってきた私にとってはデメリットでしたが、人によってはメリットかもしれません。

決まった時間に決まった場所に行って決まったことを勉強することは、勉強の習慣化と継続になりますから。

それに今はアガルート等の完全オンラインの予備校もあるので、この「フレキシブルさ」がないというのは、今や的外れなものになったかもしれません。

それでも独学がいい(独学のメリット・デメリット)

予備校代を払うお金がない等の理由で、塾に通えない人も一定数いると思います。

私自身も家族の経済的理由により、どうしても予備校代を工面することができず、独学で勉強して外交官になった経緯があります。

なので、独学で合格したいと思う方の気持ちはとてもよくわかります

以下、独学のメリット、デメリット、それと私の体験に基づいてお話します。

独学のメリット

  • 自分で自由に勉強の計画を立てられる
  • 常に自分の頭で考える癖がつく
  • お金がほとんどかからない

以下解説します。

自分で自由に勉強の計画を立てられる

独学は、文字通り自分で勉強することなので、自分の好きなように勉強の計画を立てることができます。

予備校に通うと、いつも決まった時間に決まった場所に行く、または講義を受けなければいけないので、急な用事やどうしても外せない用事があったときには講義を休まざるを得ません。

逆に、その日は予備校の講義があるから、大事な用事が急に入っても予備校の講義を優先せざるを得ないときがあります。

これが独学であれば、自分の好きな時間に好きな場所で勉強することができるため、予備校のカリキュラムや時間指定に縛られる必要がありません。

感覚としてはフリーランスに近いかもしれません。会社員であればいつも決まった場所で決まった時間を働かなければいけませんが、フリーランスであれば自分の好きな時間に好きなように働けますから。

常に自分の頭で考える癖がつく

独学で一番怖いのは、間違った方法で勉強することです

公務員試験に合格するために勉強しているのに、高名な学者さんが書いた分厚い参考書を読んでいるだけでは、一部の天才以外絶対合格できません。

そのため、独学は、常に自分の勉強法に疑問を持ち、改善を繰り返しながら、自分に合った参考書や勉強方法を見つけていく必要があります。

この自分の頭で考えるという行為は、のちのち官僚として、あるプログラムを立ち上げたり、政策を立案するときに大いに活きてくると信じています。

学生のときから常に自分の頭で考える癖がつけられるのは、独学の大きな魅力だと私は思います。

お金がほとんどかからない

必要な参考書や試験対策本の費用以外、独学はほとんどお金がかかりません。

予備校代を払う必要もなければ、場所も公共の図書館等を利用して勉強することができます。

経済的に苦しい人にとって、お金のかからない独学は魅力的なものであることは、十分理解できることです。

独学のデメリット

  • 自分の勉強法が正しいのか、最後まで確信が持てない
  • モチベーションを維持しづらい

以下解説します。

自分の勉強法が合っているか確信が持てない

試験対策予備校は、公務員試験に合格するためのノウハウと実績を持っています。

なので、そこの通う人たちは、予備校の言うとおりに勉強すれば合格に近づくという確信を持ちながら勉強することができます。

独学をやっている人は、最後までその確信を持つことが難しいです。

実際に自分の目指している試験に合格した人が身近にいれば、その人に色々と聞くことはできますが、普通はそう都合よくいるものではありません。

なので、独学の人は、常に自分の勉強法に疑いを持ちながら改善をし続ける必要がありますが、言い換えると、これは試験勉強以外のことにも時間と労力を使わなければいけないという意味なので、独学は試験合格の最短ルートにはなりえません。

試験合格の最短ルートはやはり予備校に通うことです。

それでも独学を目指して頑張る人は、

  • 試験合格のレベルに達するには、塾に通っている人よりも時間と労力がかかること
  • 正しい参考書と正しい勉強法を選択するために、常に自分の勉強法に疑問を持ち改善していくこと

この2つを必ず理解してください。

モチベーションを維持しづらい

上でも述べたとおり、塾や予備校に通えば高いお金を払って、決まった時間に決まった場所に行かなければならないという、自分への「強制力」が働くため、これがそのまま自分へのモチベーションとなります。

なので、自分で計画を立てて勉強をしたり、一人で勉強するモチベーションを保てない人は、そもそも独学はするべきではありません。

素直に予備校に通いましょう。

Mの実体験

ここからは少し私の体験について話させていただきます。

外交官試験との出会い

私の家はあまり裕福ではありませんでしたが、それでも両親はなけなしのお金をはたいて私を大学に通わせてくれました。

でも当時の私はそういう親心を全くわかっていなかったので、大学1年生、2年生の時は、とにかく自分の好きなことをして日々を潰すウェーイ( ´∀` )な大学生でした。

途中、とある言語に興味を持ったので、大学を一年間休学し、とある国に留学をしてました。

帰ってきたのは大学3年生の後期、私の友人たちは皆4年生で、すでにほとんどが内定が決まっている状態でした。

非常に焦りました

就活するにもすでに出遅れ感があり、また、自分には民間企業で働くというビジョンが全く見えなかったので、就活する気も起きませんでした。

でもプータローになるのは嫌だったので、なんとなく公務員試験のことを知るために大学の図書館に来ていました。

そのとき、公務員試験対策本のコーナーに一角にポツンとあったのが、「外交官試験」と書かれた本でした。

当時の私は「あ、こんな仕事があるんだ」と思い、おもむろに手に取りました。

試験対策としては何の役にも立たない薄っぺらい内容でしたが、こういう仕事があるということを教えてくれた自分にとって思い出深い本です。

このときから、私の外交官になるための勉強が始まりました。

まずやったこと

「外交官になろう!」と決意してまず私が始めたことは、情報を集めることでした。

  • 外交官試験とは
  • 公務員試験とは
  • どういう人がこの試験を受けるのか
  • 倍率は
  • どんな科目があるのか
  • 合格者はどういう予備校に言っているのか
  • 独学は可能なのか

そういう必要な情報を集めました。

その結果、どうやら外交官試験に合格する9割以上の人がなんらかの予備校に通っているということでした。

でも私は当時バイトもやっておらず、家に予備校に通わせてもらえるだけの経済的余裕がないことはわかっていたので、すぐに独学を選択しました。

約8カ月かけて勉強し、試験を受けた結果、惨敗でした。浪人が確定しました。

幸運な一年間

4年生の時に受けた試験結果があまりにもひどく、「やはり独学では無理か」「でも予備校に通う金もないから外交官試験あきらめるか」と思い詰めました。

その矢先、私の高校時代の仲のいい先輩で違う大学に通っていた人と再会した折、その人が「外交官になるために予備校に通っていたけど合格できなかった、もう使うこともない」と言って、彼から予備校で使っていた試験の教材の一部をもらうことができました。

そのときから私は、これまで自分がやってきた独学の方法を一から見直し、友人からもらった教材を駆使して猛勉強しました。

また、自分の独学が間違ってものでないかチェックするために、その先輩から学習方法を逐一聞き、改善を繰り返しながら勉強をしました。

さらに、モチベーションが下がったときに、自分が試験に落ちてプータローになり実家に引き込もるという最悪の未来を想像し、自分を追い込みながら勉強を続けました。

そして、惨敗だった試験の一年後、私は外務省専門職試験に合格し、無事に外務省への内定を勝ち取ることができました。

今思えば運がよかっただけです。その先輩との再会と助けがなければ、もしかしたら今は無職で引きこもっていたかもしれません。

結論:独学は可能だけどいばらの道

独学をして実際に試験に合格してわかったことは、独学はいばらの道ということです。

  • もし勉強方法が間違っていたら?
  • 先輩から塾の教材をもらえていなかったら?
  • 先輩から継続的にアドバイスを得ることができなかったら?

さまざまな不安定要素がある中でも、上のような幸運があったからこそ、独学でも合格できたのだと思います。

この私の体験が、経済的事情等により予備校に通うことができない、けど公務員を目指したいと思っている人の一助になれば幸いです。

最後に繰り返しますが、独学は、さまざまな不安定要素が絡むいばらの道です。

最短ルートで安定的に合格をつかみ取りたいなら、予備校に通うことが確実かつ最短ルートです

  • この記事を書いた人

M

元外交官【経歴】語学留学から帰国後慌てて職探し ▶︎ 外務省入省 ▶︎ 本省→在外→本省→退職 ▶︎ 培った言語を活かして翻訳、言語教師 ▶︎ 2児の父 ● マルチリンガル(4言語) ● 公務員働き方改革を心から願う(国会待機消滅しろ)

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